2012年10月13〜14日 秋の信州旅行
10月14日は鉄道の日。それを記念してという訳でもないのですが、多数の臨時列車が走っているこの週末に旅行をすることにしました。
今回はウイークエンドパスを使用するのであちこちの臨時列車に乗車できましたが、ただそれだけではいたずらに特急や新幹線の別途料金がかかっていまうので、
乗車する臨時列車を絞り込み、同時に長野県内の簡易委託駅巡り&切符収集をすることにしました。
長野県内のいくつかの簡易委託駅は、POS端末すらない完全な常備券&補充券による切符の販売をしているとのことですので、以前から興味がありました。
そこでただ収集用の切符を買うだけでなく、今遠征に必要な切符の残りと来月の旅行に必要な切符の購入も合わせて行うことにしました。

1日目前編:出発→効能温泉吾妻号乗車→冠着駅収集

最初の目的は485系NO.DO.KAを使用した大宮発高崎・上越・吾妻線経由、万座・鹿沢口行の快速「効能温泉吾妻号」に乗車します。
新白河駅から途中那須塩原を通過するやまびこ202号を使い大宮へ。
 

今回はウイークエンドパス以外に旅行中の乗り鉄に必要な殆どの切符をマルス券を使わず、補充券を使うというのがコンセプトです。
そのため、やまびこもあらかじめとあるPOS駅で指定席特急券で調達してあります。
ちなみに新幹線の指定を料補で発券してもらい、乗車するのは初めてです。


ところが降りた先の大宮の乗り換え改札口で、料補に無効印をお願いし保存しようとしたところお断りされ回収されてしまいました。
大宮では10月に入ってから、補充券の持ち帰りを断られたという報告が相次いだので覚悟はしていました。
その理由がここ最近補充券の偽造が多いため、必ず回収するようにと通達が出たみたいです。

もうこればかりは仕方ないと少々落胆しつつ、効能温泉吾妻号が入線する7番線へ向かいます。
しかし485系NO.DO.KAに乗車するのは初めてですので、落胆からすぐに期待感に変わりました。


しかしホームに降りるとまだNO.DO.KAの姿はありません。
大宮に向かう最中、新幹線車内の運行情報に「高崎線は北本〜鴻巣で異音が発生したため一部の列車に運休と遅れが出ています」という嫌な予感のする情報が入ってきたので、
そうかなぁと思ったら、構内放送でやはりそれのため到着が遅れるとのことでした。

待つこと数分、発車予定時刻の8時少し過ぎにNO.DO.KAがやってきました。
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側面のロゴステッカー


足下には今更ながら乗車口の貼り付けをしていました。


到着後すぐ発車しますので写真撮影はこの程度で終わりです。
定刻より5分遅れで大宮を発車していきました。

座席はカーペット敷にテーブル1脚につき座椅子が4つ置かれているお座敷に近い感覚です。
進行方向左側に通路があり、そこに靴を脱いでくつろぐというスタイルです。


お座敷風列車だけに、車内にはディスプレイとカラオケボックスがあります。しかし多客臨ではまず使用されません。
 

どの座席も通路と窓の間に人は入りませんので全席実質窓側ですが、通路のあるC、D席は眺めがやや劣ります。
それに荷物棚もA、B席のみ天井にあるため空いてる席かテーブルの間に置くことに。
私の席も今回C席でしたのでちょっと今ひとつ感を感じたため、ある程度したら車両両端部の展望車へ移動しました。

こちらが展望室です。運転席は天井部に設置されていますので、広々とした空間そして間近で前面・後方展望を楽しめます。
とは言えども展望席は既に繁盛しており後ろの方で立って途中の高崎まで展望を楽しみました。


高崎線内は頻繁に列車とすれ違うので飽きの来ない前・後展望が楽しめます。
距離が離れてしまったけど485系宴との離合


183系団臨


大宮から30分あまりで熊谷へ。
ここまでの停車駅は湘南新宿ライン特快と同じ(上尾、桶川、北本、鴻巣)ですが、この先も高崎まで深谷、本庄と快速運転が続きます。


この時点でまだ遅れは1、2分ほどしか回復していなく高崎での乗り換えまで予断を許さぬ状況で、あまり落ち着きませんでした。
でも遅れて予定のあさま561号に乗り遅れても切符収集予定している3駅のうち1駅が出来なくなる程度で行程に大きな影響はないから大丈夫ですが・・・

籠原で先行している837M(4番線停車中のE231系)を追い抜きます。


岡部駅付近でまた183系団臨を発見。これは「旅のプレゼント」という横川→上野、上野→水上間でそれぞれ運転された団臨です。


新町付近では185系特急あかぎ6号と離合。湘南色のOM3編成です。


やがて左側から八高線が合流


高崎車両センター高崎支所が見えれば高崎まで後少し。
EH-200ブルーサンダーがセンター内で休んでいるのが見える中、対向列車もそれの貨物が来ました。


車両センターを過ぎるとDE10がいました。DLみなかみで牽引を担当する機関車と思われます。


高崎駅のホームが見えてきました。
時計を見ると何と始発からの遅れはほぼ回復し、9:05頃高崎に到着しました。
ここで降りますが、列車は上越線・吾妻線を通り万座・鹿沢口まで運転されました。


こちらが乗車に使った指定席です。
即日完売するかも知れないと不安がありましたので発売日当日買いに行きました。
その時はまだ行程がはっきり決まってないので終点の万座・鹿沢口まで買いました。
結局高崎までの乗車になりましたが、区間変更で料補作り直し・・・はちょっとアレなのでそのままに。
高崎以降で乗りたかったのに・・・と思った方々には申し訳ありませんです。
とりあえず検札の際車掌さんに予定変更で高崎で降りると言っておきましたので、その後私の座ってた席に着席してもOKかと思われます。
でも実際指定券を持たずに乗車したお客さんもいて車掌さんから料金券を買い乗車した人もいました。


それと残念ながら乗車証明証の配布や駅での催しとかはありませんでした。
まぁメインが吾妻線内ですのでそっちの方まで行けば何かあったかも知れません。


高崎からは主に土日祝や連休のみ運転される臨時の長野新幹線あさま561号に乗車します。
長野新幹線は学生の頃スリーデーパスの前身である三連休パスで乗車して以来なので久々です。
 

長野新幹線は大半がトンネルなのであまり車窓が楽しめないのが残念。
だけどそれ以外の景色はなかなかのものです。
 

上田ではしなの鉄道の社屋がはっきりと見えます。
ウイークエンドパスでしなの鉄道も利用でき、ここで降りると新幹線特急券も安く済みますがうまい時間に接続しないので止むなく長野まで乗車することに。


軽井沢から既に長野入りしていますがリンゴ畑が眼下に広がる景色を見ると長野に来たなぁという実感を強くさせてくれます。


長野に着きました。
なんと隣のホームにはsuicaペンギンラッピング車両がいたので撮影することに。
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開業15周年ステッカーとリスとごはんを食べてるハイキング中のsuicaペンギン
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今の季節にぴったりな栗とリンゴのラッピング


サイクリングとスキージャンプしているところ。そういや長野五輪からもう14年も経ったのですね。早いなぁ。。。


真田幸村コス


地獄谷温泉の猿と温泉に入るsuicaペンギン。個人的には一番癒される絵


ちなみに撮影したラッピング車はこれまた凄いことにN1編成でした。試作車S6編成を量産型に改造された編成です。


乗り換えの篠ノ井線の発車時刻が迫りましたので乗換改札口へ、付近の駅員さんに料補を見せたところ
忙しかったからか無効印は押して貰えずでしたが、持ち帰りを認めて貰えました。


長野からの篠ノ井線普通列車(440M)は中央東線甲府までの長距離運転の列車でした。
切符収集の最初の目的地、冠着まで向かいます。篠ノ井線は沿線の景色が素晴らしいと聞いていますのでかぶりつきを敢行しました。


篠ノ井まではしなの鉄道の列車も走ります。今井駅ではホームのすぐ近くにリンゴ果樹園が
 

篠ノ井からしなの鉄道と分かれ、単線区間に入ります。
 

稲荷山で下り列車と交換。飯田線から乗り入れてくる列車「みすず」もありますのでこのように東海の313系がやってきたりします。


次は絶景と評されている姨捨・・・ですが途中の桑ノ原信号所で交換待ちをします。


桑ノ原信号所はシーサスクロッシングを用いたスイッチバック式の信号所で以下に配線図を示します。


交換待ちをする列車(赤線)は一度引き上げ線に入り、もう一度反対側の引き上げ線に入ってから交換列車を待ちます。
通過する場合(緑線)はそのままシーサスの直線側を通過していきます。図は上り(松本行)ですが下りも同様です。

しかし実際は交換列車が遅れ、次の姨捨で交換することになりました。
姨捨駅が近づくと地平線まで続く善光寺平の絶景が広がります。


ちなみに姨捨駅もスイッチバックの配線になっています。
 

配線図は以下の通り。上下線それぞれホームを持ち、通過線側が上り線ホームです。
左が上り線の停車する場合の進路、右が下り線の停車する場合の進路です。
 

ホームの下をWVしなの3号が長野に向けて駆け抜けていきました。


その後姨捨を発車し、途中長めのトンネルを抜けると冠着に到着です。


駅舎の入り口には委託氏が出迎え、一応「これフリーきっぷです」と言って駅舎へ入ります。
冠着駅は筑北村がJRから委託を受けて切符の販売を行っている簡易委託駅です。
ここで売り上げた切符は村の収入源にもなりますので、地元の住民にはここで切符等を購入して頂くようお願いの掲示がされています。


駅舎に入り早速収集の旨を伝えると常備券の束を出してきました。
冠着駅はPOS設備すらないため切符は全て常備券か補充券での販売になります。

下の写真は松本から新宿までの自由席特急券と冠着から東京都区内までの乗車券です。色は違いますがどちらも常備軟券です。
ただ金額が金額だけに収集用に購入するのは難しいので写真だけ撮らせて頂きました。


とは言えども近距離の切符も売られているので安心です。
こちらが冠着で購入した切符のラインナップです。一枚ずつ紹介します。


まず補充片道券(補片)です。隣の聖高原駅まで発行させて頂きました。
ここを含む長野支社内の簡易委託駅は収集家が多く買いに来るため、収集用に子ども料金での発券をしないよう指示されていると聞いてたので、
子ども用でと言わずにお願いしましたが、委託氏が「子ども用でも大丈夫ですよ」とのご厚意を。お言葉に甘えて小人料金で発券させて頂きました。


続いて補充往復券(補往)です。補片は過去に何度が買ったことがありますが補往は初めて購入します。
これも隣の姨捨までで小人料金にて発券して頂きました。


次は近距離の常備軟券として、坂北までのを購入


常備軟券は往復乗車券もあります。
常備片道券とはうってかわって常備往復券は片道分だけで料補並のサイズです。


最後に料補を。次回実際に乗車する臨時列車の指定券です。
いつもなら電話で空席確認→確保した座席を復唱しメモってから料補に書き込みますが、指令が混み合っているのか折り返し電話すると伝えてきました。
その間に委託氏は回答を待たずに席番とCコードを除く部分を記入。それでも指令から連絡が来ないため再度委託氏が電話をかけ座席を確保後、
指定席購入表の紙に控えをとり補充券に記入していました。


この白い切符らしきものは、乗車駅証明書です。窓口が開いてる時には普通の人ならポチりませんけども(笑)
 

他の駅でも収集するので冠着の収集は以上です。
料補だけでなく出補も1年前ほどまでありましたが、悪質な収集家による大量発券の影響により支社に没収されたのこと。
常備券はまだしも補充券は作るのに手間がかかるのでそれなりの節度を持った収集をしてもらいたいものです。
なお、出補の代わりに発着名未記載の補片(記入式補片)がありますので、任意区間の乗車券も買えるみたいです。

次の列車まで時間があるので、少し駅の外に出たり列車の撮影をしてみました。


駅前にバス停がありますが、駅周辺は閑散としています。
少ない本数ですが、集落と駅のアクセスのため村営バスが運転されており冠着駅同様地元の住民に支えられているイメージがあります。
 

WVしなの5号の通過シーンを駅名票と合わせて撮影してみました。
(拡大する)

後追いでもう一枚。
穂を出し始めたススキがいい味を醸し出してくれます。
(拡大する)

それでもまだ時間が余ったので待合室でうとうとしていると、委託氏から「これをあげますよ」と差し出したのは、
常備軟券の耳と呼ばれる部分です。収集に対し親切な対応をして頂いただけでなくこのようなまさかのプレゼントを頂けて感謝の極みです。
 

快速みすずで次の目的地へ向かいます。
乗り込もうとする際も委託氏が「ボタンを押してドアを開けるんだよ」と最後まで私に対し気を遣って頂けました。
心の底から「ありがとうございました」とお礼をし、冠着を後にします。また機会があれば是非寄りたい駅でした。




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