トワイライトエクスプレス下り列車乗車記(シングルツイン) 2014年3月31日〜4月1日 トワイライトエクスプレス下り列車乗車記(シングルツイン)
学生の頃乗れる夜行列車といえば、18きっぷシーズンの快速ムーンライトシリーズ(MLながら等)で、寝台特急ならせいぜいあけぼののゴロンとシートやサンライズEXPのノビノビ座席程度でした。
社会人になって何年かが経ち、給料も充実し始めてようやく金をかけられる旅行もできるようになってきました。
しかしながら寝台特急は年月の経過と共に数を減らし、2014年3月にはとうとうあけぼの廃止が決まってしまい風前の灯となってしまいました。。。
そこでかねてから乗りたかったトワイライトエクスプレスの乗車を今年の誕生日旅行に実施することに決定!
本当は誕生日の30日上りロイヤル狙っていたのですが撃沈し、予備で予約していた31日の下りシングルツインが取れたのでそれに乗ることととなりました。

※この乗車記は、バースデイ遠征2014旅行記の9〜10節のトワイライトEXP乗車部分をリメイクしたものです。
 内容はほぼ同じとなっていますので予めご了承下さい。


前編:夢の寝台特急

3月の最後の日31日。私は28日から誕生日記念として名古屋までまっすぐ行った後、紀伊半島沿いに大回りして大阪に辿り着きました。
発車案内がうまく写ってなかったのでわかりにくいですが、
上から2行目に書かれているトワイライトエクスプレス札幌行、これに乗車します!!


入線シーンから撮影したかったのですが、買い出し等の都合により時間が遅くなってしまい、
ホームに上った時には既に入線している状態でした。
隣にサンダーバード17号が停車していますがトワイライトEXPより先に発車していきます。
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本日の牽引機を務めるのはEF81-114
カシオペアや北斗星のように、専用塗色の機関車となっています。


サンダーバード発車後に改めて撮影したところ
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テール側から。
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発車まであまり時間がありませんので、11番のりばから9・10番のりばへ


それでは、乗車へ!


 

今回のお部屋はB寝台シングルツインです。
本当はA寝台ロイヤルにしたいところでしたがA寝台を確保するのは難しく、さらに春休み期間中であることもあり、
複数箇所で1ヵ月10時打ちするも撃沈・・・1箇所だけ滑り止めでシングルツインの事前予約したところのみ確保できました。
それでも部屋は5号車10番と、禁煙車で日本海側、そしてサロンカーや食堂車のある3・4号車に最も近いというB寝台の中では最高の部屋です!


部屋の扉を開けたところ。
テーブルを中央にソファーがペア配置されています。
シングルツインですので、1人でも2人でも利用できる部屋なのですよね。


部屋の上段にはレール並行配置のベッドがあり、布団類や浴衣が置いてあります。
下段はソファーからベッドに変形させますけれど、それは後ほどご紹介。


上段ベッドの反対側の物置にも肌掛けのようなものが置いてありました。


1人利用の時にはまず上段ベッドは使いませんが、上段に上がるはしご


暗くてわかりにくいですが、扉近くにある照明と空調設備のコントロールパネル。
最初部屋入って暑いなぁと思ったのはこの空調設備に気付かなかったためでした(汗)


部屋に入って左側の壁にあるFM、読書灯、暖房のコントロールパネル。
今の時期北海道はまだ寒いため、暖房のスイッチはデフォルトでONになっています。


部屋を移動する時にあると嬉しいスリッパも完備。
ただし食堂車へ行く際はスリッパNGなので要注意。


これもあると嬉しいハンガー。
浴衣に着替える時これがあると本当便利です。
ハンガーの下にはゴミ箱もあります。


そして何と言っても嬉しい設備がこのコンセント!
一般的にB寝台にコンセントはなくどうしても使いたい時は共用の洗面所を使うしかないのですが、
トワイライトエクスプレスには個室であれば全ての部屋に付いています!
このシングルツインは部屋の入口側の壁にありますので、使用の際は延長コードがあると便利です。



11時50分、大阪を発車し22時間に渡る列車の長旅がスタート!
ホーム端には10人ほどの撮り鉄がカメラを構えていて、登場から25年経っても未だ高い人気を誇っているのが伺えます。


発車して大阪の市街地を眺めていると、いい日旅立ちのインストゥルメンタルメロディーが流れ旅情を高めてくれます。
寝台列車自体は半月前にあけぼの惜別乗車したばかりですが、やはりこのトワイライトEXPは初めて乗るだけあって新鮮味がありました。

すぐに新大阪に到着し、発車後車掌さんからの案内放送があり検札が始まります。
しばらくしてトワイライトEXPカラーの専用制服に身を包んだ車掌さんが扉をノックして検札に伺ってきて、
検札を確認するとカードキーが配布されます。


それとトワイライトEXPに乗車されるのは初めてか?と尋ねられ私がうなずくと、
部屋の設備の説明に加え、カードキーの使い方も親切丁寧に教えていただけました。
使い方はきちんと扉を閉めたのを確認してから、ドア横の番号ボタンを押してカードキーの矢印を下向きにし上から溝に沿って通してロックをかけます。
解除はカードをもう一度溝に通すのみでOK。
ただ、回転ロック式の内鍵を中途半端な状態にすると内鍵までロックされてしまい部屋に入れない事態に陥ることがあるので注意。
車掌さんを呼べば対応してくれますが・・・私はその閉じ込めを乗車中に2回もやってしまいました(笑)


室内を色々撮影している間に高槻を過ぎ、名神道と並行している田園地帯が広がる区間に。
しろかきを終えた田んぼが多くありました。福島県内では大体4月下旬頃しているので早いなぁと。


隣のサロンカーに行ってみると、テーブルのある進行方向左半分のソファーは満員になっていました。
全体がわかる写真は撮りそこねましたが、左右とも日本海側向きにソファーが設置され、大きな窓から車窓を楽しむことができます。


入り口には雑誌が置かれており、長時間の旅に退屈してしまった人はこれで暇つぶし。


乗車記念スタンプと台紙も置かれています。
ここに群がったのはもっぱら子どもと乗り鉄組だけですが(笑)


すぐに京都に着きました。
ここから乗車してくる客も比較的いるようですが、どれくらい乗ってくるのかというまでは気にしませんでした。


京都を出発したらすぐにサロンカー隣の食堂車「ダイナープレヤデス」へ。
ランチタイムにはまだ早いですが、目的はシャワーカードを購入&使用時間を予約するため。

レジにてシャワーカード(320円)を購入し、予約時間(15時から23時までの30分ごとの時間帯)を決めます。
シャワールームは2室ありますので、1人までなら時間がかぶってもOK。
私は一番早い時間帯にしてもらいました。


購入&予約と同時にシャワールーム使用にあたっての注意書きが書かれた紙片を渡されます。


シャワーカードを受け取りランチタイムまでしばし時間があるので、部屋に戻って軽く宴会を。
前日和歌山県を訪れた時に買ったにごり梅酒「熊野かすみ」とうつぼの唐揚げです。


熊野かすみはフルボトルで2000円くらいする高級の部類に入る梅酒です。
それだけあって、梅本来の甘みが強くまさに梅酒を飲んでいる感覚。
ストレートとソーダ割り両方試してみましたがどっちもおいしく飲めました。

一方のうつぼの唐揚げは、うつぼ自体あまり馴染みないのですが
外はカリッとしていてその中にコリコリとした食感がありやみつきになりました。
ただ梅酒よりビールや日本酒のつまみとした方が合いますけれども。。。

列車は湖西線内に入り高架橋から車窓を眺めます。
湖西線を通るのは大津京駅やおごと温泉駅に改名されて以来久し振りですが、沿線の住宅地開発が進んでいました。


やがて車窓からは琵琶湖が見えてきます。


近江舞子で運転停車。
サンダーバード19号の待避をします。
同じ特急と言えどもこちらはEL+客車に対し相手は高速走行に特化した特急車両ですので容易に追いつかれてしまいます。


近江舞子を発車すると、待ちに待ったランチタイムがスタート!
食堂車まで近いから部屋から行っても待たずして入れるだろうと思っていました。しかし、考えが甘かった。
すでにわかっている乗客は、大体の時間を見計らってサロンカーで待機していましたので、部屋から動いた私は待たされることに・・・
しかも最初スリッパ履きNGだと知らなかったため、放送で注意があったからすぐに戻って靴を履き替えたけれどそれもタイムロスとなってしまいました。。。

仕方なく琵琶湖側の車窓をのんびり眺めながら先客が食事終わるのを列に並んで待つことに。
近江舞子から先はトンネルが多く、山がちになってきます。
そのため田んぼが棚田になっているところも。


近江塩津が見えてきました。
ここを通過すると湖西線から北陸線へ。


先客が続々と食事を終えて出て行ったので、ようやく食堂車に入れました。


スシ食いねぇ(違)食堂車のメニューに寿司はありませんw
スは車両重量が37.5〜42.5t、シは食堂車の意味です。


まず赤ワイン(1200円)と前菜に頼んだサラダとスープセット(500円)。
メインディッシュはこれから来ますが、これだけでも優雅な気分に浸れます。


しばらくしてメインディッシュがやってきました!
オムライス(980円)です。
名店のようにトロトロ卵とはいかないものの、ふんわりしていてウマーでした。
ケチャップライスの味付けも塩っぱすぎずGOOD!


食事をしているうちに小浜線と分岐する敦賀に到着


敦賀を発車すると長い北陸トンネルに突入します。
車窓は見えなくとも、照明と内装の雰囲気が何とも言えません。
なお照明の横に照明のON/OFFやカーテンの上下スイッチがあります。


食事代金は一般的なレストランと一緒で最後にレジでお会計。
通常使う額の3倍以上です。が、この列車に乗ったからにはある程度奮発しなきゃ勿体無いですものね♪


部屋に戻りシャワータイムまでしばしくつろぎます。
武生〜福井は福井鉄道と並行し、車両も見られました。
 

鯖江でサンダーバード21号待避のため、2度目の運転停車。
 

車窓から市のゆるキャラと見られるマスコットのイラストを発見! 鯖江は駅の入線メロディーがマリンバを使ったメロディーのため、マリンバが有名といったイメージが強い市ですが、
市内にある西山動物園のレッサーパンダ繁殖数が日本一のところとしても知られています。


列車はさらに北上し、貨物駅もある南福井駅を通過


原色のEF-81の姿も見られました。
寝台列車の牽引機はやっぱりこの色がしっくりときますねぇ。。。


そして福井に停車します。
2番のりばに九頭竜線こと越美北線のキハ120形を発見


福井を発車するとちょうど食堂車のクルーが部屋を訪れ、夕食のルームサービスの弁当と翌日の朝食の予約に伺ってきました。
夕食はディナータイム後の予約不要パブタイムでいただきますので、朝食のみを予約。
予約を受けると、予約カードが渡されます。料金は食事後支払います。


ちょうどシャワー使用時間になりましたのでサロンカー後ろ寄りにあるシャワー室へGO


シャワー室の詳しい写真は撮りそこねましたが、入り口に脱衣室があり脱衣カゴとドライヤーがあり、
そしてシャワーカードを挿入する口があります。
ここにシャワーカードを差し込むとシャワーが使えるようになります。
シャワー自体の使用は1人6分の制限時間がありますが、頭も体も洗うのに十分。
私が使って2分ほど余りましたので、洗髪に時間がかかる髪の長い女性の方でも余裕があると思います。
なおシャワー室にはボディーソープがありますがシャンプーはないので、シャンプーは各自携帯用のを用意しておいた方がいいです。
なければボディーソープで洗髪することになりますので・・・
あとタオルもないため各自用意しておきましょう。もしくはシャワーセット(420円)を購入を。

シャワーを浴びてさっぱりして再びくつろいでいるうちに金沢市内へ突入。
北陸本線に入ってからですが、出発時と比べてだいぶ空がどんよりと・・・


ホーム手前の留置線には681系(683系かも?)と521系が並んでいました。
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金沢では3分ほど停車しますので時間が短いながらも撮影できます。
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ホームの発車案内


金沢を発車後2袋目のおつまみとワインをオープン!
まずワインは大阪柏原で製造された白ワイン。比較的甘口で飲みやすかったです。


それに合わせたのは、同じく前日和歌山県の白浜で買ったマグロジャーキー。
マグロの旨味が詰まったジャーキーに黒胡椒のアクセントが酒との相性抜群です!
これも甘口のワインより、ビールの方が合いそうですが・・・


津幡で七尾線と分岐


高岡市内へと突入。城下町として発展した歴史があるからか、瓦屋根の建物が目立ちました。


高岡〜富山は田園地帯が多く車窓が穏やかです。
それに並行して来年開業を控える北陸新幹線の高架橋。関東からのアクセスがぐっと便利になりますので開業が楽しみです。


神通川を渡ると富山市内へ


富山を発車すると徐々に空が茜色に染まり始めました。
同時に空模様も回復。これは日本海に沈む夕日が拝めるチャンス!


富山地方鉄道とアンダークロス


そしてついに日本海の海原が見える区間に突入!


日本海が見える区間で中でも私が好きなところが親不知。
海岸沿いに走る北陸道と国道8号の高架が近未来的で幻想的ですごく惹かれるんですよね。
  (拡大する)

いよいよ日本海に沈む夕日が・・・!
しかし、室内からなかなか見えなかったためサロンカーに移動してみることに。

日本海の水平線に沈む夕日とはいかなかったものの、山に沈もうとする赤々と輝く夕日を拝めました。
初めて寝台列車で夕日を見ることができた感動はひとしおもの。。。



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